●神輿って何か?

 平安時代に貴族が乗るものとして、「輿」があった。

その中でも、神様がお乗りになるものが、「神輿」でありました。

 

 現存する最古の神輿は、平安時代末期に作られたとされる、

「沃懸地螺鈿金銅装神輿(いかけじらでんこんどうそうしんよ)」である。

(和歌山県紀の川市 鞆渕八幡神社内)

●江戸の神輿

 「宵越しの銭は持たない」という江戸っ子の気質を表す言葉がありますが、

平和な世ではあったものの、貯蓄に回す程、裕福ではなかったこともあるようです。

 

 禁教令や、交通網をわざと整備しなかったこと等、江戸の庶民にはうっぷんが溜まっていた。

そのうっぷんを発散させるため、幕府が、浅草神社や根津神社に神輿を寄進したという説があるそうです。

 

 江戸の祭では、宮神輿が1基と、各町会の数の山車があり、繰り出していた。

明治になり、街中に電線が張り巡らされたことにより、山車では電線にぶつかるため、

各町会でも、町会神輿が広まったそうです。

●南谷戸の神輿

 昭和9年に浅草の「宮本卯之助商店」で造られたものです。

 「宮本卯之助商店」は、三社祭の本社神輿も造られています。

 

作人札には、「宮本重義作」とありますが、「重義」は、義を重んじること、

正しい行いをすることを意味しているとのことです。

 

 南谷戸の神輿の様式は、「延屋根漆塗り・三つ巴(屋根紋)・角台輪」です。

 

 ↓下の写真は、昭和8年頃の、「宮本卯之助商店」のものです。

  (こんな時代に作られた、歴史のある神輿なんですね。)

 

 南谷戸の神輿は、他の神輿と比べても、大きさ風格と決して引けを取らない

立派な神輿です。私たちも、豪快に担ぎたい気持ちです。